ローイング(ボート競技)とは1000mまたは2000mの距離をどのボートが最も早く漕げるか競う競技である。
一見シンプルなルールで分かりやすい。だがローイングは奥が深い。
「いかに速く漕ぐか」、その答えを出すために考え、練習する。
そこに面白さがある。
距離をただ全力で漕ぐだけでは勝てない。レースで勝つには戦略を立てることが重要だ。
スタート時点で他のボートを引き離す、レース後半に温存したパワーを開放する、最後まで食らいつき、一瞬のスキをついて追い抜く…
勝つ方法は一通りだけではない。
ボートを進めるためには体力、技術はもちろんだが、「一体感」が重要。同じボートに乗った人の動きがそろったときボートが最も進む。だが、仲間との動きを合わせるのは難しい。個人の考えやクセ、自分では分かっていてもできない動き、それらを互いに指摘し合ったり映像をみて研究する。試行錯誤の先にある「一体感」で、ボートはより速く、力強く遠くまでいく。
「究極の団体競技」と呼ばれる理由が、ここにある。
ローイングは自然の影響を受けやすいスポーツだ。波や風は時に行く手を阻む障害にもなる。自然と一体となり、味方につけた瞬間、ボートは水上を駆け上がる。
そもそも、なぜ部活に入ってボートを漕ぐのか?
「レースで勝ちたいから」
もちろん、これは大きな理由の一つだ。
しかし、これだけではない。
自分の成長を数字で測りとる。
全国大会に出て自分の力がどこまで通用するか試してみる。
そして、自分が先頭に立って仲間を引っ張っていく。
ローイングにはスポーツの楽しみ方の全てが詰まっている。
- ローイングは楽しい -
だからこそ、挑戦する価値がある。
ローイングは近代オリンピック第1回アテネ大会から採用されている競技です。
百聞は一見に如かず。実際の競技を御覧ください。
動画は2016年リオオリンピックの 男子エイト 決勝です。